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覚醒武器 血柳刃

己の秘められた本性に目覚めたラン。黒いオーラを纏う血柳刃を手に取り、無慈悲に全てのものを破滅へと導く。

前方や左右に素早い動きで敵を翻弄しながら、双剣で破壊力のある斬撃を繰り出す。双剣の柄が鎖で繋がれているため、周りの敵を薙ぐような範囲型の攻撃も可能。

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ヨンルンヒャンを亡くしたあの日と同じように、
雨が降る薄暗い空模様だった。

未だ鮮明に記憶が残るヨンルンヒャンの喪失に、
巫女は日々虚無感に苛まれていた。


しかし、
弱きを守り、悪を絶つ。
ヨンルンヒャンと交わしたこの誓いを唯一の支えに己を鍛練し続けてきた。


かつて彼に教わったように、剣を振るい、舞う。
彼から教えを受けていた時は、共に並び、共に励んだ鍛練。
身体に染み込んだ動きを今は唯々孤独に振るう。


孤独に悲しみと痛みを覚えるが、
今は亡き彼との繋がりを確かに感じられるのはこれしかないのも事実であった。


彼を失ったこと、自らの境遇と使命、様々な糸が絡み合い巫女の感情はない交ぜとなる。
一心不乱に剣を振るうことで邪心を打ち消す。そんな日々を過ごしてきた。


ただ、その日は違った。


限界まで鍛練を続け、肩で息をする中、
一人の人間が近づいてくる。


今いる場所を拠点にしてからしばらく、 人っ子一人見ること無かった辺鄙な場所へ来る人は誰だろう、と巫女が顔を上げる。


まず目に入るは、この地ではまず見ることのない東方の模様が描かれた靴。
そして、聞こえるはかつては聞き馴染んだがもう聞くことはないと思っていた声。


その主は巫女に柔らかに話しかける。

"しばらく見ないうちに剣が乱れてしまってますね。久しぶりに稽古でもつけましょうか?"


首を上げると目の前には男がいた。
その男を見た瞬間、巫女の思考は止まった。


巫女の瞳に映るは、
かつて深層の鳥籠から自分を救い出し、
力を授け、道を指し示し、最後は目の前で散って行ったヨンルンヒャンが優しげな表情で立っていた。


"何故…"


放心した巫女はそれだけしか呟くことしかできず、
そんな巫女に対しヨンルンヒャンは再び口を開く。


"貴方が深い悲しみに沈む中、呑気に寝ていられません。冥界より舞い戻りましたよ。"


と軽口を叩く。
彼の久しく聞く声に徐々に意識も戻り、
そして彼が戻ってきた奇跡に泣き崩れてしまうのであった。


巫女が落ち着いてから、
ヨンルンヒャンはあれからどう助かったのかを巫女に話した。


そして、これからのことを巫女に話す。


"貴方を探し、彷徨う中、この西の地に眠る神気を纏う力を感じました。


この力さえあれば、我々の求めてきた道を成し遂げることができるでしょう。
そして、何より貴方と私が再び出会ったのです。
もはや、不可能なことなどこの世にないでしょう。


さぁ、共に行きましょう。"


巫女は考えるまでもなくヨンルンヒャンに従った。
再び彼に会えた嬉しさに勝るものなどないのだ。


彼の差し伸べる手を取る。
この冷たさはきっと雨のせいだと。
手を引いて前を歩くヨンルンヒャンに醜悪な笑みが浮かんでいることも。
気づくことはない。


数日後、巫女とヨンルンヒャンは辺境の地に辿り着いた。
そこには、二本の錆びついた剣が地面に突き刺さっていた。


一見、鈍らでしかない剣であるが、
巫女は剣から巨大な力が溢れ出ているのを感じた。


だが、確かに巨大な力であるがどこか歪。
巫女は二本の剣を手に取るのをためらう。


本能で察する。
力は求めてきた、もう何も失わない為に。
これは力をもたらす。しかし、何かを失う。


躊躇する巫女にヨンルンヒャンは諭す。


"何を戸惑うことがあるのか。
これこそが我々の求めてきたものだ。さぁ今すぐ力を。"


巫女は思い返す。
巫女にとってヨンルンヒャンが全てだ。
もう失うわけにはいかないのだ。


巫女は朽ちた剣を手に取る。


剣に手が触れる、その瞬間、剣から漆黒の奔流が溢れ出す。
闇が巫女を覆う。
助けを求めんと、巫女は背後のヨンルンヒャンへ振り返る。


そこには彼とは思えぬ程歪んだ醜い顔をした
ヨンルンヒャンの姿をした何かがいた。


"薄汚い愚かな巫女よ、亡者が帰ってきたと本当に思っていたのか?
墓を暴いて掘り出したあの英雄被れの鎧が目を眩ませたのか?
あんな男、当に死んでいる。
そして、この神具「血柳刃」復活の礎となり貴様も死ぬのだ。"


幻術を解き、姿を現したのはヨンルンヒャンと巫女を罠にかけた張本人、
かの国王の家臣の一人、奸臣であった。


闇に囚われ動けない巫女ののど輪を掴み、奸臣は再び口を開く。


"太古より、もはや封印が解けることはないと言われていた「血柳刃」を目覚めさせるとは。
貴様の才には憎悪しか抱かなかったが、初めて感謝するとしよう。


亡者の姿に化けるだけで騙されるとは愚かな女だ。
このまま「血柳刃」に力を奪われ死ぬのも時間の問題だ。


安心しろ、「血柳刃」は私が頂く。
貴様はあの英雄被れと同じく惨めに生を終えるがよい。"


その瞬間、奸臣の腹部を、
錆びなど無い禍々しい刀身に変化した「血柳刃」が貫いた。


予想外の出来事に後ずさる奸臣の視覚に捉えるは、
「血柳刃」を両の手に携え、紅の瞳と漆黒の奔流を纏う巫女の姿であった。


奸臣は瀕死の傷を負いながらも隠し持っていた黒き石を飲み込み嗤う。


"貴様の才を見誤った。「血柳刃」を覚醒させるだけでなく、その呪いも己に卸すとは。
ますます手に入れたい獲物になった。"


黒き石を飲み込んだ奸臣のその全長は人の倍以上、腕は大木のように変化し、異形の化物へと姿を変えた。


そんな化物を前にしても、巫女は動じることはなかった。
胸中には唯々、憤怒、憎悪、殺戮衝動、破壊衝動と恩讐の炎が燃え上がるのみであった。



もう我慢はやめだ、殺してしまおう。



恩讐の巫女と奸臣がぶつかり合う。


初激の打ち合いで奸臣の右腕が肩の先から吹き飛ばされる。
瞬く間に全身を切り裂かれ巨大な体躯が音を立てて崩れ落ちた。


化物となった奸臣を一瞬で圧倒した巫女。
息も絶え絶えの奸臣が巫女に言う。


"無念だが、最終的に私の勝ちだ。
あの気に入らなかった、澄まして達観したようなお前はもう死んだ。
自分を見てみろ。憎悪に囚われた化物のようだ。"


お前はこれから自ら地獄へ落ちていく。
地獄で先に待っているぞ。"


その言葉を最後に異形の化物は消えていった。


残るは返り血に塗れた巫女が唯一人。
巫女は思考する。


自分が何をしたというのか。
監禁され、騙され、殺されかけ、最愛の人を奪われ、
希望を見せられ、果てには絶望へ叩き落される。
世界は何故それを赦すのか。世界が悪なのだ。復讐の先は世界だ。
なればこそ、全てを殺そう。


あの優しかった幼き巫女は今日死んだ。


また暗い空に雨が降る日だった。


とある村落に一人の女が立っていた。
女の周囲には少し前までは人間であった物体が四方に転がっている。


元凶である女は屍を見て、笑みを零すのみ。
屍の中にまだ動いている少女がいた。


少女は助けて欲しい、死にたくないと懇願する。
もう目が見えていないのであろうか、ただ手を伸ばしどこかへ助けを求めるだけ。
伸ばした手が女の足に触れる。


その瞬間、2本の剣が少女へ振り下ろされる。
もう少女が動くこともなくなった。


新たな返り血を受けた女は、更に全身を紅く濡らした。
その顔は醜い笑みを浮かべ、狂ったように嗤う。


嗤う、嗤う、嗤う。
壊れた女は、唯々嗤う。


狂った嗤い声が雨の中へ消えていく。
女は再び、宛てのない道を歩き始める。

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